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![]() ・・・・・・大正モダンな東京最古の木造駅舎 今回は東京にある大正モダンな駅舎建築を紹介してみようと思う。その駅舎とは東京の原宿駅、今から約80年前の大正10(1921)年に竣工した建物である。 山手線の車内から見える原宿駅の駅舎は、屋根上の塔屋が印象的だが、わざわざ降りて建物ウオッチングする程のものではないと勝手に思い込んでいた。 そういう事で先日、東京都内を散策した折、たまたま寄ったのがこの原宿駅。以前から大正時代に建てられた駅舎等の予備知識はあったのだが、改めてこの駅舎を見ていかにも大正期らしい佇まいに正直驚いた。 以前から建物上に付けられている塔屋と、正面のハーフティンバーといわれる木骨を露出させたデザインは印象に残っていたが、改めて駅舎を見てみると、各所のデザインに目を奪われてしまった。全般的に英国の田舎屋風のデザインで纏め上げられているが、例えば正面出口の部分のデザインは、大正期に日本で流行していた〔セセッション〕という直線系のモダンデザインの影響が見られ、また駅構内に取り付けられたステンドグラスも同系統の幾何学模様が用いられている。 この原宿駅を設計したのは、鉄道省・技師の長谷川馨という人物。 ちなみに原宿駅が竣工する4年前の大正9年にこの駅の隣には、明治天皇を祭る明治神宮が完成・鎮座されているのが、明治神宮にはあまり拘らず、東京郊外の田園風景をイメージしたような駅舎を作ったというのは興味深い。既成概念にとらわれない自由な発想で建物を設計していたというのも、大正という時代らしいなと私は思った。 原宿という場所、若者の街として知られているが、この駅舎だけが大正の頃ここが東京郊外の田園地帯だったと物語る生き証人のような存在になっているようにも思えた。しかし年代物の骨董品のような存在にならず、街の生活や風景の一部としてきちんと溶け込んでいるというのが、この建物の魅力なのだろう。そう考えると、また別の意味で貴重な建物である・・・・。 -------------------------------------------------------------------------- ![]() ◎設計:長谷川馨(鉄道省技師) ◎施工:不詳 ◎竣工:大正10(1921)年 ◎構造:木造平屋、一部2階建て ◎所在地:東京都渋谷区神宮前1 ![]() ![]() やや左寄りに塔屋のある正面出口が付けられている。 また駅前道路に合わせてか、正面出口右手の屋根庇が大きくカットされてるなどユニークなデザインの駅舎だ。 ![]() 駅舎の後ろも左右非対称。大正期の駅舎とファッション関連の看板の対比が、いかにも現代の原宿らしい・・・・・。 ![]() また〔原宿駅、その2〕でも引き続き同建物の写真を掲載しております。 ***************************************************** ※参考文献『都市の記憶Ⅱ、日本の駅舎とクラッシクホテル』鈴木博之氏著 ※撮影:2008年6月
by sy-f_ha-ys
| 2008-07-08 00:33
| ◆大正モダン建築探訪
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Comments(7)
恥ずかしながら、これ見た事ないんですよ。 私も人が多い所は苦手なので、渋谷方面には足が向かないんですよねぇ。
地図を見てみると正面は東向き(?)のようなので、朝早く出掛けて撮ってこようとは常々思っているのですが。
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esさま、私も原宿駅を撮影したのは、この時がはじめてだったんですよ(笑)。今まで見に行かなかったのを悔やむ建物でした。
実を言うとここは2回に分けて撮影したのですが、午後だと逆光になっちゃいましたね。やはり朝方がお勧めでしょうかね?
原宿駅って何かカッコイイですよねぇ~( ´ ▽ ` )ノ
natchanさま、はじめまして。
natchanさまのご先祖・長谷川馨さんは、明治末から大正にかけて鉄道省の技師として素敵な建物を多く設計された方です。以前調べようと思っていたのですが、その詳細がさっぱりだった方です。もし機会があれば、お母様やご家族にご先祖さまの事について伺ってみるのも面白いかと思います。 都心の一等地に、ご先祖様が設計した建物が残っているというのは羨ましいです。
saxtupiiさま、はじめまして。
natchanさまのお友達か、たまたま当プログに訪問していただいた通りすがりの方なのか詳しくは分かりませんが、原宿の駅舎は大正モダンの佇まいを今に伝える貴重な建物であります。機会があればゆっくりと駅舎をウオッチングしてみて下さいね(^-^)
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