関根要太郎、山中節治設計作品(函館編・６)

◆旧亀井喜一郎邸（現・鷲見邸）　
　　◎設計：関根要太郎、山中節治
　　◎竣工：大正１０(１９２１)年
　　◎所在地：函館市元町

　この写真は１９９８年、私が二度目か三度目に函館へ訪れた際に撮影したものである。当時は設計者である関根・山中兄弟の存在も知らず、『乙女チックなお菓子みたいな家だな・・・』という印象しか持たなかった。
　ちなみに亀井勝一郎が十代の頃、このモダンな新居が建てられた訳だが、以前に勝一郎の自伝で『綺麗な服を着せられ、家はイギリス風の最新式の住宅で・・・』というような記述を目にしたことがある。まあ、多感な少年期の勝一郎にとっては、ピンク色の新居はさすがに恥ずかしかっただろう・・・。また勝一郎の弟・亀井勝次郎は、早稲田大学で建築学を学び、のちに建築家になっている。勝一郎は『世界中の宗教が私の家を中心に集まっている』と言ったそうだが、弟の勝次郎にとって当時の函館は『多様式の建築やモダンな住宅が、私の家を中心に建てられた』と感じたに違いない・・・・？。
　亀井勝次郎については、いずれまた紹介したい。

※撮影：１９９８年６月撮影
※１９９９年４月撮影

※２００７年３月撮影