フィルムカメラで撮影した少し昔の函館(その1)

◆フィルムカメラで撮影した少し昔の函館

　・・・・1998年から2008年に撮影した関根要太郎・設計作品

　このブログを開始して気が付けば17年という歳月が経ちました。平成19(2007)年6月のブログ開設時から半年程度は、1日の訪問者が20人にも満たない全く人気がない私のサイトでした。その後、函館市の公式観光サイト〔はこぶら〕や、当時ウーマン・エキサイトが企画されていた〔おさんぽ〕コーナーで、私の発表した記事を立て続けに紹介していただいた辺りから、徐々に訪問者が増え現在に至っております。SNSからの情報発信が全盛になった現在の世の中ですが、相変わらず多く方が私のサイトに訪問していただいている事に、日々感謝しております。

　既にお気付きの方も多いと思いますが、コロナウイルスが蔓延してからの2020年代に入ってからは、函館へ訪れたのは僅か1回のみになっています。以前より時間的余裕がなくなったことや、近所の旅行代理店で従業員の方と対面でパンフレットを照らしあいながら、旅行内容を詰めていくというスタイルが過去のものとなり、苦手なネット申し込みになってしまったのがその一因です。円高・石油高の現在、函館がますます遠く感じてしまっている今日この頃です。

　しかしながら1990年代後半から、20数年にわたり函館へ訪れている事もあり、歴史的建造物の写真を中心に過去に撮った写真やデータが豊富に残っております。訪問回数は30回程度になっていると思います。

　そのうち今回はフィルムカメラで撮影した、平成10(1998)年から平成20(2008)年にかけての写真を紹介させていただます。使用機器は父親の形見だったNikon・f3?、自身で購入したNikon・f7０、Pentax・МZなどです。現像はそれなりに値段はかかりましたが、フィルムは激安だったのでそれなりの枚数を撮影しております。

　そのような事もあり、一度では紹介しきれない数になっている事もあり、今回は長年私が研究している建築家・関根要太郎(1889～1959)の函館作品を紹介させていただく事にいたしました。先に紹介したように1998年から2008年の撮影。ブログ開始当初に発表した写真が殆どです。こうして見返してみると、雪が多く積もる季節の写真が多く残っていますが、2000年に入って以降はデフレスパイラルの影響か、国内旅行の料金が非常に格安で、オフシーズンの冬場に函館へ頻繁に訪れていました。

　ブログのプロフィール欄でも書いておりますが、1990年代半ばに訪れた京都旅行の際、ホテルその時利用したホテル近くの、京都三条通りに残る、明治から大正から昭和初期にかけて建てられた近代建築群に感銘を受け、近代建築探訪と研究が新たな趣味となりました。

　更にその数ヶ月後、この頃大ブレークしていた作家でミュージシャンとして活躍される、辻仁成さんの函館を舞台とした著書〔海峡の光〕〔函館物語〕の影響もあり、初めて函館を訪れます。そしてその美しい地形の町に建つ、多くの近代建築群に虜になってしまったのであります。

　その後、辻さんの著書で紹介されていた、昭和7(1932)年に竣工した旧安田銀行函館支店を改修してオープンした、ホテル・ニュー・ハコダテ(昭和43年開館)のレトロな佇まいに魅せられ、以降数年間に渡りここを定宿にしました。またホテルの客室から見える旧百十三銀行本店(大正15年築)や、ホテルの裏手の旧船場町(末広町)に建つ函館海産商同業組合事務所(大正9年築)、元町の高台に建つ旧亀井喜一郎邸(大正10年築)のモダンな姿に感動し、そのころ北海道新聞社より刊行された〔函館の建築探訪、平成9年〕を読み、建築家・関根要太郎の存在を間もなく知りました。

　またたまたま立ち寄った隣町の図書館に蔵書してあった〔日本の建築　明治大正昭和10・日本のモダズム、堀勇良氏著、昭和55年〕で、函館で感動した関根要太郎なる建築家が、私が子供のころから頻繁に訪れていた埼玉県秩父の出身ということを知り、更に関根要太郎という建築家について知りたいという願望がわき、現在に至っています。

　記事の後半に掲載したホテル・ニュー・ハコダテから撮影した写真を見ると、当時の事を色々と思い出してしまいます。

　そういう事で本日は、平成23(2011)年に惜しくも解体されてしまった、石塚商店(イチヤマ商店、大正11年築)を含め、私がフィルムカメラで撮影した5棟の関根作品の写真を掲載しました。グーグルストリートの最新版を見ると、関根作品の近辺の建造物はさほど変化はないと思います。しかし背後には10数年前に解体された函館どつくのゴライアスクレーンがあったり、駅前の高層ホテル群がなかったり、時代の変化を少なからず感じてしまいます。

　不定期ながらフィルムカメラで撮影した、少し昔の函館の写真は何回か紹介しようと考えております。それでは時計の針を少し戻して20世紀末から21世紀初頭に撮影した、函館の関根作品をお楽しみください。

◆函館海産商同業組合事務所(設計：関根要太郎+山中節治、末広町、大正9年築)

◆旧亀井喜一郎(設計：関根要太郎+山中節治、元町、大正10年築)

ウーマン・エキサイトの〔おさんぽ〕というコーナーで、私のブログが初めて紹介されたときの思い出の写真。写真は平成14(2002)年6月の撮影。

この時は豪雪と吹雪でホテルの他、知り合いの方の店で時間を潰すことに。その時にかろうじて撮影できた貴重な1枚。

背後には函館ドックのゴライアスクレーンも。2006年撮影。上の2枚の写真は、平成10(1998)年と平成11(1999)年の撮影。
函館山山頂より。平成18(2006)年の撮影。この頃はベイエリアから函館駅前の高層ホテル群が建てられていない時期だった。

◆旧仁壽生命函館支店(設計：関根要太郎+山中節治…推定、末広町、大正10年ころ築)

◆旧石塚商店：イチヤマ商店(設計：関根要太郎+山中節治、末広町、大正11年築・平成23年解体)

◆旧百十三銀行本店(設計：関根要太郎+蔵田周忠、末広町、大正15年築)

青柳町時代の函館市立図書館で撮影した百十三銀行竣工記念の絵葉書。ホテルニューハコダテの屋上ペントハウスの部屋より。

八幡坂より。

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★撮影・・・・1998年～2008年