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・・・・昭和13年築、港区の歴史郷土館として使われるモダンゴシック建築 9月になっても日差しが厳しい先週末、約1年振りに訪ねたのが東京港区南麻布の都立中央書館だった。コロナ禍の影響もあり現在は事前予約の入館者数の制限、利用時間が3時間と限定されたものだったが、とても充実した調べ物をすることが出来た。調べものというと現在はネットが主流になっているが、やはり実物の資料を閲覧するのは楽しい。 そして筆者が図書館に訪れたのは午前の部だったので、その後は近隣を散策することにした。図書館が建つ有栖川公園の脇から延びる新坂を下り、更に渋谷川沿いの低地を歩いた後は三光坂を上り、服部セイコーの創業者・服部金太郎の旧自邸(設計:高橋貞太郎、昭和8年築)、聖心女学院の正門(設計:ヤン・レツル、明治42年築)を遠目に眺めながら、到着したのが東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線の白金台駅だった。 僅か30分の徒歩だったが、この季節の東京都心の暑さはやはり半端ない。当初は明治学院や高輪方面まで歩いてみようと思ったのだが、ここで本日の散策を終了することにした。そのような事で地下鉄入り口からエスカレーターに乗ろうとした所、筆者の目に飛び込んできたのが港区立の郷土歴史館の看板であった。 この歴史郷土館、今から20年ほど前まで国立公衆衛生院として使われていた建物を港区が取得。大規模なリノベーションをおこない、平成30(2018)年から郷土歴史館をはじめとした、区の複合施設〔ゆかしの杜〕としてオープンした。 このときは昭和39(1964)年におこなわれた、東京オリンピック・パラリンピックに関する企画展がおこなわれており、冷房の良く効いた館内で建物をゆっくり鑑賞することにしたのである。以前は目黒通り(日吉坂)沿いからは朽ち果ておどろおどろしい、この建物の一部が見えたが、シャープな日差しも相俟ってかとても輝いて見えた。そして見学コースを少し外れ、遠くからエントランス方面を見てみると、冒頭の写真でご覧いただいたような、重厚でモダンなゴシック調の建物が建っていたのである。昭和13(1928)年竣工との事である。 公衆衛生院、アメリカのロックフェラー財団からの350万ドルという支援・寄附のもと、国民の保健衛生に関する調査研究および公衆衛生の普及を目的として設立された機関で、この他にロックフェラー財団の寄付により、東京京橋の明石町に都市保健館、埼玉県所沢市のくすのき台に農村保健館が建設されている。その後、公衆衛生院は厚生省の管轄となり、戦後になると国立に移管。そして白金台の土地で、平成14(2002)年まで研究活動がおこなわれていた。研究機関ということもあり、大学にも病院にも見える外観はそのせいだろうか。 そしてモダンゴシックとも呼びたくなる旧公衆衛生院の設計を手掛けたのは、東京深川出身の建築家・内田祥三(うちだよしかず、1885~1972)である。内田は明治40(1907)年に東京帝国大学工科大学の卒業後、三菱合資会社を経て東京帝大の大学院へ進学。その後は東京帝大の建築学科の教授、東京帝大の営繕課長、日本建築学会の会長、東京帝大の総長を務めた、この当時を代表する建築家の一人だ。 特に関東大震災後の東京帝大やその関連学校・施設のキャンパス設計や、地震大国である日本での構造方法の提案、火災に強い防火住宅の在り方についての法律作成など、日本の建築界をリードするような活動をおこなっていく。その中では内田の教え子である岸田日出刀(1899~1966)と共同設計した、東大の安田講堂(大正14年)の仕事が特に有名である。内田祥三はこのとき確立した〔内田式ゴシック〕と呼ばれるスタイルを基調に、数多くの建築作品を制作していくのであった。 西欧の伝統的なゴシックスタイルに、モダンさを加味させた独特な内田祥三の諸作品。実質的な設計は、内田の教え子(部下)たちがおこなったと想像されるが、そのような人物たちの顔が見えないほどに確立されたスタイル。統制された隙の無い内田祥三の作品は、見ているこちらの背筋が正しくなってしまうような、お堅い建築作品である。 今回訪ねた旧公衆衛生院もその例に漏れず、内田式ゴシックが徹底的に貫かれている。白金の傾斜を活かし、ゴシック調の塔屋を強調しているのも、この作品の心憎い演出である。 威風堂々とした港区白金台の旧公衆衛生院、実はこのすぐそばにこの建物の兄弟作品とも呼べる内田作品が現存している。それは旧公衆衛生院の北西に建つ、東大医科学研究所の附属病院1号館である。この建物は昭和12(1937)年に伝染病研究所として建てられたもので、東大の諸施設に見られるような、内田式ゴシックで外観デザインは纏められているという。こちらは病院施設という事もあり、一般の見学は出来ないようだが、白金の地に2棟の内田祥三は対を成すように建っているのである。 今回偶然訪問した、古くて新しい港区の複合施設。見事なリノベーションがなされ、建物の魅力を十二分に堪能できた一日であった。これまで食わず嫌いの感が強かった、内田祥三の設計作品。チャンスがあれば別の内田作品を、訪れてみたいと思った筆者であった。 ◎設計:内田祥三 ◎施工:大倉土木株式会社 ◎竣工:昭和13(1938)年 ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート6階建て、塔屋4階、地下1階 ◎所在地:東京都港区白金台4-6-2 ❖港区指定文化財 旧院長室。こちらには旧公衆衛生院の設計者である内田祥三に関する展示もされている。 森の向こうに見えるのが東大医科学研究所。ここに内田祥三設計による研究所本館(昭和12年築)が建つ。馬蹄形の旧公衆衛生院に対し、医科学研究所は扇を開いたような形状をしている。
by sy-f_ha-ys
| 2020-09-19 07:19
| ◆昭和モダン建築探訪
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Comments(6)
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tokyo102
at 2020-09-20 01:48
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公衆衛生院とはさすがお目が高いですねえ
個人的な感覚なのですが、昭和建築から感じる何とも言えない懐かしさみたいなものが漂う建物ですね。エントランスから一歩入った時に感じるそれが、かつてあった丸の内八重洲ビルから感じたものに近い印象でした。 東大医科研の方は建物および病室に入ったことがありますが、やはり病院施設としての古さは否めなかったです。建物として眺めてみれば、公衆衛生院の方が締まった感じというのでしょうか、重厚さと威厳ある面持ちに上品さが薫るまとまりという面では軍配が上がるかなと感じます。
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sy-f_ha-ys at 2020-09-20 18:08
> tokyo102ま
旧公衆衛生院、港区によりリニューアル工事がおこなわれ、一昨年に地元の郷土歴史館としてオープンしたのですが、その事をすっかり忘れていまして、地下鉄入り口横の看板を見てその存在を思い出した次第です。内田祥三さん率いる東大の建築課設計の建物というと、重厚かつワンパーターンな感じで、今まで見学を敬遠していましたが、中に入ると一つ一つのパーツが丁重に作られており、今までの食わず嫌いを後悔した先日の訪問でした。 東大の医科学研究所、周辺からちらりほらりと見えますが、一度も中には入ったことがありません。周りの鬱蒼とした森といい、夜間に訪れるには相当な覚悟が必要そうな。 そして八重洲ビルですが、エントランスは自由に入れましたね。外壁の一部は再現されましたが、あのエントランスあっての八重洲ビルだったと思います。
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oomimi_usako at 2020-09-24 20:51
こんばんは。
古き良き時代の建物について、だいぶわかってまいりました。 こちらで拝見させていただき、教えて頂いているおかげです! 公衆衛生院、実家から近いので、秋のお散歩がてら、出掛けてみようかと思います。 それにしても・・・有栖川公園から明治通りを横切って三光町、白金へ抜ける道は、どこをお通りになっても暑いときは大変ですよ~。おつかれさまでした!
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sy-f_ha-ys at 2020-09-25 05:51
> oomimi_usakoさま
いつも記事をご覧いただき有難うございます。 私も若い頃は、町の風景やそこに建つ歴史的建造物など 気にせず歩いていましたが、このような趣味が加わると 俄然街歩きが楽しくなりました。 麻布、白金、高輪、セレブな土地ではありますが、 美しい地形に江戸時代から続く美しい坂が数多くあり、 散歩するには最高の場所ですよね。 久しぶりに東京の坂巡りをしたくなりました。
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gipsypapa at 2020-12-14 08:42
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sy-f_ha-ys at 2020-12-14 21:59
> gipsypapaさま
TBお気づき頂き、誠に有難うございます。 というか送った本人も、すっかり忘れていました(笑)。 図書館に行った帰り道、涼みがてら見学しましたが、 予想以上に素敵な建物で感動いたしました。
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