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![]() ・・・・昭和4年築、神戸旧居留地に建つヴォーリズ設計による旧銀行店舗 神戸のお洒落なスポットして名高い、中央区の旧居留地エリア。居留地というその名が示すように、神戸が国際貿易港として開港されて間もなくの明治元(1868)年から、明治32(1899)年7月まで外国人居留地が置かれた場所で、126区画の土地が外国人に競売されたという。現在も土地の地番や、門柱や煉瓦製の下水道管などが残され、在りし日の居留地の営みを今に伝えている。 そして明治32年に旧居留地の土地運営が日本へ返還された後は、港に近い立地を生かし、国内外の商社や船舶会社のオフィス、国内外の銀行店舗の支店、外国人をターゲットとしたホテルなどが多く建てられる事になった。その当時建てられたオフィスや、銀行店舗の一部は今も現存し、このエリアの歴史ある町並みを形成している。 その中でも海岸通り(バンド)に面して建つ、旧大阪商船神戸支店(設計:渡辺節、大正11年築)や、平成7(1995)年の阪神淡路大震災で建物が著しく損傷したものの、後年低層部が再現された旧三井物産神戸支店(設計:河合浩蔵、大正7年築)などが有名である。 更に内陸の仲町通りには、居留地時代から残る唯一の建造物・旧居留地十五番館(明治13年頃築)という歴史的建造物も残る。そしてこの通りに建つ、最も有名な歴史的建造物と言えば、今回紹介させていただく旧居留地38番館だろう。 現在は関西発祥の老舗百貨店・大丸の施設として使われているこの建物、ナショナル・シティ・バンク・オブ・ニューヨークの神戸支店として昭和4(1929)年に建てられたものである。この銀行はアメリカの大手銀行・シティバンクの前身にあたる会社である。また昭和63(1988)年に大規模な改修工事がおこなわれ、大丸の施設の一部として使用されることになった。旧居留地の歴史的建造物の再生活用の魁となった、重要な作品という評価が現在ではされている。 とてもファッショナブルな旧居留地の町並みの中でも、一際の輝きを見せる旧居留地38番館。その設計はアメリカ出身の信徒伝道者・社会事業家・建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrel Vories、1880~1964)率いる、ヴォーリズ建築事務所が担当した。実施設計は同事務所のスタッフである、アメリカ人建築家のW・E・ハインズが担当したという。 ヴォーリズは明治38(1905)年に、滋賀県立英語学校の英語教師として来日。明治41(1908)年に神戸北野の風見鶏の館(旧トーマス邸、明治37年築)の設計で名高い、ドイツ人建築家:デ・ラランデ(Georg de Lalande、1872~1914)設計による、京都YMCA会館の現場監督を務めたのを機に、建築業に関与するようになった。 学生時代は本格的な建築学を学んでいなかったヴォーリズであった。しかし使い手への細心の配慮をおこなった本人の美的センスの他、ヴォーリズの建築哲学を理解したスタッフの協力の甲斐もあってか、数々の傑作を生みだしていく。 本人がキリスト教宣教師として来日したこともあってか、教会やミッション系の学校施設のほか、邸宅や商業施設の設計も数多く手掛けている。その中の一つがオフィスビルや銀行建築で、大阪の大同生命本店(大正14年築)など数々の傑作を制作したが、オフィスビルのスクラップアンドビルドの速度が著しく早い日本にあって、その殆どは解体。数少ない現存するヴォーリズの銀行建築が、神戸の旧居留地38番館なのである。 かつてナショナル・シティ・バンクとして使われていた旧居留地38番館、正面玄関に4本のイオニア式オーダーを置き、銀行建築らしい雰囲気を醸し出している。しかし日本人建築家が手掛けた銀行建築とは違い、肩に力が入っていないヴォーリズならではの出来栄えになっているのは興味深い。また錆びた雰囲気がする色合いの外壁に貼られた石材も、なかなか渋い雰囲気を醸し出している。 またこの銀行店舗、らしからぬ摩訶不思議な箇所が一つある。それは明石町筋に設けられた窓の数々。この頃の銀行建築は強盗など外敵の侵入を防ぐため、窓が比較的小さく取られているのが特徴である。 しかし旧居留地38番館は、1階部分はとても開放的な窓になっているのだ。竣工当初は金属製のグリルカバーなどを施して、防御策をおこなっていたと想像されるが、かなり禁じ手となる作りなのだ。ちなみに大正半ばから昭和初期、大胆不敵過ぎるモダンな銀行店舗を多く設計していた、建築家・関根要太郎(1889~1959)は、そのようなセオリーはきちんと押さえていた。 現在は銀行建築らしからぬ大きな窓が、この建物の売りとなっているのは不思議なところ。その昔自身が撮影した写真を見ながら、ヴォーリズ建築の不思議な世界に魅了されてしまった筆者であった。 ![]() ◎設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(ヴォーリズ建築事務所) (William Merrel Vories) ◎実施設計:W・E・ハインズ ◎構造設計:内藤多仲 ◎施工:竹中工務店 ◎竣工:昭和4(1929)年 ◎構造:鉄筋コンクリート造3階建て、地下1階 ◎所在地:神戸市中央区明石町38 ❖神戸市指定景観形成重要建築物 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by sy-f_ha-ys
| 2020-08-01 10:01
| ◆昭和モダン建築探訪
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Trackback
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Comments(4)
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テナントを見るにさすがというか、まぁここに店舗をかまえられるのは良いですねえ。
シカゴやニューヨークにありそうな色合いのビルだなと感じますが、大きな窓は銀行ということを考えたらやっぱり印象的ですね。 それにしても歩道のタイルが良くないですね......せっかく景観上も重要であると保存される建物がありながら足元の詰めが甘い様に思います。公共事業に於いても、ただ安く落とした業者任せにしないで、ディレクターを置いて街を作ってほしいなとも感じました。
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> tokyo102さま
中も見学しようと思いますが、ブランド名を見て玄関で折り返し戻って参りました(笑)。 設計を手掛けたのがヴォーリズの建築事務所のアメリカ人技師だったそうで、その当時アメリカで流行していた古典主義をベースにしたオフィスビルに似た作りになったと考えられます。窓が大きい戦前築の銀行建築というのも本当に珍しいですね。 tokyo102さまがご指摘の通り、歩道のタイルがプラスチックのようで、ちょっと不自然ですね。函館の景観地域の歩道や車道の石畳もちょっと浮いた色なのですが、ロードヒィーテイング施設を考慮してこんな色になったと聞いたことがあります。神戸も理由があってこんなタイルになったと信じたいです。 歩いているときはそれほど感じませんが、写真で見直すとこういう箇所が目についてしまいますね。折角歩道を整備したのに詰めの甘さが悔やまれます。 ![]()
ちょっと入りづらいですね(笑)
街づくりは、当然さまざまな権利関係があったり、機能的なもの、技術的なものと、諸々クリアしなければならないことが多いのかなと想像しますが、それにしても勿体ないなと感じることが多いです。
> tokyo102さま
コロナウィルスが蔓延する前は、池袋の私鉄会社系列デパートのブランドショップを店外から覗くと、アジア系のインバウンドが殆どでした。しかしこのレトロビルは神戸のお洒落スポットに建っていますから、日本のセレブな方が来店されているのでしょうか。 ちなみにこの周辺はレトロビルに大丸がテナントとして入居しているものが多いですが、ちょっとエリアが外れると、テナントが撤退してしまっているビルもあります。昨日紹介したチャータードビルなどがそれに当たります。立地、使い勝手、建物内が予算内でリノベーションできるか等、問題は山積してしまっているようですね。
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