建築家・関根要太郎展開催のお知らせ

◆生誕130年没後60年記念、関根要太郎展開催のお知らせ

　・・・・本年秋、旧多摩聖蹟記念館にて関根要太郎展が催されます

　報告が遅くなりましたが、先週の月曜日(10月14日)より東京都多摩市の旧多摩聖蹟記念館にて〔特別展　生誕130年没後60周年記念　関根要太郎展〕が始まりました。今年2月から3月上旬に記事を発表いたしましたが、今年は埼玉県秩父出身の建築家・関根要太郎(1889～1959)の生誕130年・没後60年にあたります。

　何かそれを記念したプロジェクトをおこないたいと考えていた矢先、今年の春には函館蔦屋書店のフリーペーパー〔Peeps Hakodate〕にて関根要太郎の特集を企画していただました。またそれから間もなくに、旧多摩聖蹟記念館の学芸員の方より関根要太郎展のお話しを頂き、今年6月に関根要太郎の母の実家である埼玉県秩父市の秩父館でのミーティングを皮切りに、このプロジェクトはスタートしました。

　旧多摩聖蹟記念館は関根要太郎率いる〔関根建築事務所〕設計により、昭和5(1930)年6月に竣工したものです。関根の生誕130年・没後60年にあたる年に、関根の設計作品においてこの展覧会が催されるのはとても運命的なものを感じます。

　そして関根要太郎展の内容は、関根の生涯を中心に関根の設計作品を辿るという内容になっています。この企画展を担当した学芸員の方が特に展示に力を入れたのが、旧多摩聖蹟記念館の近所の東京都調布市にあった京王閣遊園(設計：関根要太郎、昭和2年築)と、旧多摩聖蹟記念館の当初計画案です。

　現在、旧多摩聖蹟記念館は多摩丘陵の高台にひっそりと建っています。しかし計画段階では周辺の山全部を使ったかなりスケールの大きいもので、今回は本邦初公開となるこちらの図版も展示されています。昭和はじめの世界恐慌も重なり、建設資金も集まらず現在の記念館の姿になったのですが、関根要太郎や事務所のメンバーが描いた完成予想図は今回最大の見所の一つであります。

　関根要太郎展開催に際し学芸員の方と悩んでしまったのが、当時の資料の少なさです。戦時中の空襲や時代の経過とともに一次資料が殆ど失われてしまい、大正・昭和初期の建築雑誌や書籍の複写が多くなってしまっていますが、建築家・関根要太郎の魅力を満喫していただける内容になっていると思います。

　この他に私のコレクションしている関根要太郎作品の竣工記念絵葉書や、関根作品が写った当時の風景絵葉書なども数多く展示しております。そして私が数年前に入手した、大正9(1920)年に撮影された関根の直筆サイン入りポートレート?も展示しております。こちらも是非ご覧ください。

　

　なお旧多摩聖蹟記念館の関根要太郎展の入館は無料、開館時間は午前10時から午後4時までになっております。交通アクセスは京王本線・聖蹟桜ヶ丘駅からバスで約10分、京王相模線・小田急多摩線の永山駅からバスで約15分ほどです。またお車でお越しの方は、旧多摩聖蹟記念館の建つ都立桜ヶ丘公園内に無料の駐車場がありますので、こちらをご利用ください。

　なおバスの本数は1時間3本程度なので時間に余裕を持ってお越しください。聖蹟桜ヶ丘駅はかなり大きめのバスターミナルになっており分かりにくい構造になってますが、12番乗り場・永山駅行きに乗って頂ければ、旧多摩聖蹟記念館の最寄である〔記念館前〕バス停に到着できると思います。

　都心から若干遠い旧多摩聖蹟記念館ですが、これからの季節この記念館が建つ都立桜ヶ丘公園も紅葉の時期を迎えます。多摩丘陵の美しい秋の風景を味わいながら、昭和初期名建てられたモダン建築・旧多摩聖蹟記念館と、建築家・関根要太郎の業績を見学していただくのは如何でしょうか?。是非皆さまのお越しをお待ちしております。

　

　◆ブログ製作者より

◆旧多摩聖蹟記念館

　◎設計：関根要太郎、蔵田周忠(関根建築事務所)

　◎施工：大倉土木

　◎竣工：昭和5(1930)年6月26日

　◎構造：鉄筋コンクリート造平屋

　◎所在地：東京都多摩市連光寺5-1-1

　　❖多摩市指定有形文化財

　　❖東京都「特に景観上重要な歴史的建造物等」

◆特別展　生誕130年没後60年関根要太郎展

　◎会期：令和元(2019)年10月12日～12月22日

　◎会場：旧多摩聖蹟記念館

　◎開館：午前10時～午後4時

　◎入館料：無料

　◎休館日：毎週月曜日、水曜日ほか(詳しくは上のチラシをご参照ください)

　◎アクセス：京王本線・聖蹟桜ヶ丘駅から

　　❖バス→聖ヶ丘団地経由永山駅行き(聖蹟桜ヶ丘駅バスターミナル12番乗り場)、

　　　　　　「記念館前」下車・徒歩５分

　　❖徒歩→川崎街道～記念館通り経由約40分

　　　　　　　(急な坂道が殆どです、歩きやすい服装・靴でお越しください)

　◎アクセス：京王相模原線、小田急多摩線・永山駅から

　　❖バス→聖ヶ丘団地経由聖蹟桜ヶ丘駅行き(永山駅2番バス乗り場)

　　　　　　「記念館前」下車・徒歩５分

　◎アクセス：自動車利用の場合は都立桜が丘公園無料駐車場を利用下さい

今回の企画展には京王相模線・京王多摩川駅そばにあった京王閣遊園の展示されている。なお京王閣は戦後京王帝都電鉄の手を離れ、公営の競輪場となった。

筆者のリクエストにより関根の函館における作品も幾つか展示させていただいた。

筆者の絵葉書コレクションも企画展では多数展示されている。

旧多摩聖蹟記念館から徒歩数分の場所にある〔ゆうひの丘公園〕からの眺め。武蔵野台地が一望できる。

旧多摩聖蹟記念館が建てられた当初は山頂付近には木が生い茂っていなかったので、このような眺めが望めたのだろう。

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★撮影・・・・・2018年5月、2019年9月・10月