函館銀座通りレトロ建築コレクション・2011(その3)

◆銀座通りレトロ建築コレクション・3
　　・・・・・・個性的な建物が並ぶ銀座通りのレトロ建築群

　
前2回の銀座通りレトロコレクションに引き続き、こちらでは宝来町22番地と23番地に残る同通りのレトロ建築を紹介したいと思います。
　当時の絵葉書などではこちらの地域を写したものが数少なく、どのような街並みだったのか想像しにくい場所ではありますが、大正10年大火や昭和9年大火後に建てられたと思われるとても個性的な建物が幾つか現存しています。そういう事でここでは宝来町に残る銀座通りのレトロ建築をご覧ください。

★バス通り沿いの薬局

ちょっと目を引くレトロ調の建物。詳しい竣工年は分からないが、現在のバス通り(高砂通り)が昭和9年大火後に道路幅を拡張した事を考えると、それ以降に建てられた可能性が高い。縦長の窓などは戦前築の建造物ならではの雰囲気。
★小野寺住設

昭和のはじめは安全自動車商会のビルとして使われていた建物。外壁は若干改修されているが、以前は大正期に流行したセセッションという直線形のデザインが施されていた。
また少し高めに設けられた屋上のパラペットは、少し離れた場所からでも一目でわかる今も昔も銀座通りのランドマーク的な存在の建物だ。
　
★旧衛生湯(現美容室あみん)

竣工当時は銭湯として建てられたこの建物を、今から25年ほど前に美容室としてリニューアルしたもの。また竣工当時は建物中央に塔屋が付いており、現在とはまた違った雰囲気の建物だったようである。
全体的なプロモーションは少し不格好だが、建物細部に散りばめられた装飾模様などは大正末から昭和初めらしい大衆受けを狙ったデザインである。なお建物は煉瓦造。★宝来町23番地の建物

写真左手の建物の竣工年の詳細は不明だが、右手に写る建物は外壁に新しい建材が貼られているものの、その作りは大正末期に建てられたと思われる作り。なお昭和9年函館大火後に、日本建築学会の機関誌〔建築雑誌〕に発表された大火報告書によると、この建物は鉄筋コンクリートブロック製とのこと。もしそれが本当なら建築家・中村鎮の設計作品という事になる。
*********************************************************
★撮影……2011年6月