函館どっく・ゴライアスクレーン

◆函館どっく・ゴライアスクレーン
　　・・・・・・先日惜しまれつつ解体された函館港のシンボル


　先月(6月)の末、遂に函館どっくのゴライアス・クレーンが解体された。
　私が函館に訪れたときは2台のクレーンのうち一つは完全に解体され、頭頂部がかろうじて残っているだけの状態だった。私が函館を離れてよりまもなく残された片割れのクレーンも姿を消したという。今回の函館滞在中、本当に多くの人から解体を惜しむ話を伺い、いかにこのクレーンが愛されていたかということを実感した私であった。

　昭和48(1973)年に設置された2台の大型クレーンは、近年は稼働することもなく老朽化が進み、修繕維持するより解体した方が費用が安く済むという理由により、このような結論に至ったと聞く。
　造船ドックの施設という関係上、もし修繕保存がおこなわれたとしても使う用途は限定され、また現在進行中の五稜郭・旧奉行所の復元事業のように、直接の経済効果が見込まれないかも知れない。しかし、長い目で見れば、函館西部地区の最北端に鎮座する赤と白のクレーンは、この後も町のシンボルとして必要不可欠な存在だったのではないかと思う。あのクレーンが次回函館へ行ったときには見れないと思うと、正直なところ寂しい。
　函館の街並みを輝かせる選択肢はいろいろとあるが、失くしてしまえばその後は何も続かないことを思い知らされた、今回の函館訪問だった。
　
　最後に余談になってしまうが、私のような函館外でこの街を愛する皆さんにも、来れば当然のように函館の美しい街並みが続くことはないことを分かっていただきたい。
　地元の人達に頼るだけで、それらが失われたあとにその人達を責めるより、私たちが函館になぜ魅せられるかということを、微力かも知れないが伝えることもこれから先は必要ではないかと思う。このような素敵な街、いくら探しても代わりはないのだから・・・・・。

★弁天町西埠頭より
★船見町幸坂・常盤公園より
★大手町・豊川埠頭より
★弥生町船見坂より
★弥生町・千歳坂より
★元町・東本願寺上より
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★撮影・・・・・2009年6月