台湾・台北の近代建築巡り(その３)

◆台湾(中華民国)台北の近代建築探訪

　・・・・2005年台湾建築探訪記、その３

　前回・前々回に引き続き、本日も台湾(中華民国)・台北の近代建築の写真を紹介させていただきます。今回も前２回と同様、台北駅の南・半径数百メートルのエリアに残る、主に日本統治時代に建てられた建物の写真を掲載しました。

　あとこの時の台北訪問で一つの心残りは、永楽町という約二百年前から続くという歴史ある問屋街の寸前まで行ったのですが、夕立ちのため足止め。結局、雨がやんだ頃には日没となり、永楽町の写真を撮影できなかったことです。暗闇の永楽町はとても風情のある街並みでしたが、こちらを紹介できないのが残念で仕方がありません。
　また今回は、台北から百キロほど離れた九份(きゅうふん)という、かっての金鉱町の写真も掲載したので、こちらも併せてご覧ください。そういう事で、最初は台北の近代建築から紹介させていただきます。

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★旧台湾帝国大学医学部付属病院(1924年築、設計：近藤十郎)

台北建築紹介の第一回目で取り上げた旧台湾総督府前から、数百メートル離れた場所に建つ病院建築。明治日本建築界の巨匠・辰野金吾(東京駅・日銀本店の設計者)が得意とした、赤煉瓦に花崗岩の横帯を取り付けるという〔辰野式〕といわれるスタイル。本家の辰野金吾作品に比べ装飾が賑やかで、見る角度によってはバロック建築といった風情。
なお病院内のフロアも、竣工当時の頃からと思われる美しいものだった。


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★現台湾大学医学院(1910年代築？)

先の病院棟の西隣にあった建物。竣工当初は病院の施設だったのか、それとも別のものだったか詳細は不明。
先の病院棟のバロック風のデザインに対し、こちらはフランスのルネサンス風の意匠。また１階・２階ともが回廊にはベランダが置かれ、南国仕様の作りになっていた。


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★旧西門市場(1908年築、設計：近藤十郎)

これまで紹介してきた台北の官庁エリアの隣、西門町・万華という繁華街エリアに残る明治41年築の煉瓦建築。
当初は総督府の衛生関連の事務所として使われていたが、その後市場の施設として使われている。設計は最初に紹介した赤煉瓦の病院棟も手掛けた近藤十郎。
現在は〔紅楼〕という観光施設として再生利用されている。

台北の繁華街・西門町。
-------------------------------------------------------------------------★龍山寺(1920年築)

先の旧西門市場の南西数百メートルの場所にある、18世紀創建の古刹。
日本統治時代の1920年に中国福建省の棟梁を招いて増築されたものだという。
また龍山寺に訪問した直後、激しい夕立ちにやられ、近くのアーケードで１時間以上雨宿りするはめに・・・・・。

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★かっての金鉱町・九份

台北の北、約百キロにある九份(きゅうふん)。19世紀末に金が採掘されて以来、ゴールドラッシュで賑わったという山間の町。最近では台湾の映画の舞台として使われ、新しい観光名所になっているそう。
その他の写真は下のMoreをクリックしていただくと、ご覧になれます。



近くの高台から。
山間の町という事もあり、階段が多いのが九份の特徴。
ノスタルジックな雰囲気の場所だった。
かっての金鉱の入り口。


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★撮影・・・・2005年8月
★参考文献・・・・「東京人」2005年11月号、〔小特集　台湾建物見学〕
　　　　　　　　　　 「台湾　日本統治時代の歴史遺産を歩く」、片倉佳史氏著
　　　　　　　　　　 「地球の歩き方　台湾」ダイヤモンド社