by ヨウタロウ研究員
カテゴリ
全体 ☆はじめに ★関根要太郎について ★関根要太郎・設計作品 ★関根要太郎、生誕130年・没後60年 ◆関根要太郎研究@東京 ◆関根要太郎研究@埼玉 ◆山中節治研究@東京・埼玉 ◆山中眞三郎研究@東京・埼玉 ◆関根・山中作品〔函館〕 ◆関根・山中作品〔東京〕 ◆関根・山中作品〔埼玉〕 ◆関根要太郎作品〔戦後〕 ◆関根要太郎作品〔仙台〕 ◆関根要太郎作品〔栃木〕 ◆関根要太郎作品〔横浜〕 ◆関根要太郎作品〔静岡、浜松〕 ◆関根要太郎作品〔金沢〕 ◆関根要太郎作品〔高岡〕 ◆関根要太郎作品〔名古屋〕 ◆関根要太郎作品〔岐阜〕 ◆関根要太郎作品〔京都〕 ◆関根要太郎作品〔大阪〕 ◆関根要太郎作品〔姫路〕 ◆関根要太郎作品〔岡山〕 ◆関根要太郎作品〔下関〕 ◆関根要太郎作品〔四国〕 ◆関根要太郎作品〔福岡〕 ◆関根要太郎作品〔長崎〕 ◆関根要太郎作品〔熊本〕 ◆関根要太郎・関連作品 ■関根要太郎関連資料 ■関根要太郎・著作論文 ------------------- ◇関根要太郎研究@函館 1‐関根要太郎と秩父 2‐三橋四郎事務所時代 3‐不動貯金銀行函館支店 4‐函館海産商同業組合 5‐函館市立病院 6-大正10年・函館大火 7‐亀井喜一郎邸 8‐爾見淳太郎邸 9-石塚商店 10-泉泰三邸 11-仁壽生命函館支店 12-百十三銀行本店 13-泉合名会社湯川住宅 14-函館競馬場建設 15-昭和9年・函館大火 関根要太郎の故郷・秩父 **************** ☆函館の建物案内 ☆函館銀座通コレクション ☆函館末広町コレクション ☆函館下見板コレクション ☆函館大町・弁天町探訪 ☆函館の復興小学校 ☆函館レプリカ建築探訪 ★函館・坂のある町の風景 ★函館・懐かしの建築 ------------------- ■木田保造について ■木田保造作品〔函館〕 ■木田保造作品〔東京〕 ■木田保造作品〔関東〕 **************** ◆明治モダン建築探訪 ◆大正モダン建築探訪 ◆昭和モダン建築探訪 ◆平成モダン建築探訪 ◎日本近代建築探訪 ◎海外建築探訪〔中国〕 ◎海外建築探訪〔台湾〕 ※私事、その他 最新の記事
検索
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 記事ランキング
お気に入りブログ
“はなみずき” 北欧建築ゼミ アアルト Ever Green のんびりいこうよ K's Sweet Ki... フィレンツェ田舎生活便り2 くーぽあ・くーぱー不定期便 ヴォーリズを訪ねて 窓の図鑑 近代建築Watch 近代建築ゼミ Moder... レトロな建物を訪ねて ezzoforte 中国・青島@建築探訪記 我愛西安!住んで発見 essay biblio... 函館 ・ 弥生小学校の保... 東京の水 2009 fr... 近代建築写真室@武蔵野台地 台湾のたびしおり I shall be r... 道南ブロック博物館施設等... カセットテープ収蔵品展示館 Anthology -ま... road to arch... 水徒然 団塊鉄ちゃん気紛れ撮影記 ルソイの半バックパッカー旅 旅行先で撮影した全国のコ... 光の射すほうへ 妖しく美しく 神奈川徒歩々旅 続・ちょっとそこまで 青山一樹 水彩画のひととき 続々・ちょっとそこまで 最新のコメント
当研究室ご来訪の皆様へ
◆当ブログのタイトル『関根要太郎研究室@はこだて』は、大正から昭和初期に函館をはじめ日本国内で活躍した建築家の故・関根要太郎氏を紹介したく付けさせていただきました。また、関根氏の作品の他にも、同氏の設計作品が多く残る函館の歴史的建造物や、同時代のモダン建築なども紹介しております。
◆このブログの写真は当サイト製作者の撮影によるものですが、それだけでは全てを紹介しきれないため、大正から昭和初期に発行された当時の書籍・建築関連の雑誌・新聞等の記事・図版を一部転載しております。またそれらの出典元になる書籍と発行日時、一部のものは所蔵元を明記させていただきました。著作権をお持ちの方には、個人的な学術研究・非営利な発表ということで、ご理解いただければ幸いと存じております。 なお、一部イラスト・写真等は、製作者・遺族の方より承諾を得て、紹介させて頂いております。 ◆当ブログ製作者は、建築業や建築学に携わっていない、素人研究家です。建築用語や構造説明に誤りがある可能性もございます。そのつど御指摘していただければ幸いです。 ◆本ブログ掲載の写真および図版、記事内容の無断転用はご遠慮ください。但し私が撮影した写真に関しては、建築保存活動や学術発表など非営利目的での使用でしたら転載は構いません(大した写真では御座いませんが・・・・)。もし使用したい写真がございましたら、その記事のコメント欄に、目的・公開先等などをご一報ください。なおその際は、当ブログの出展である事を明記お願いいたします。 ◆また本ブログの記事内容と関連のないコメント、トラックバックは削除させていただく場合もございますので、予めご了承ください。 **************** ★excite以外のリンク --------------------- ❖分離派建築博物館 ❖収蔵庫・壱號館 ❖新・我愛西安、観光と生活情報 ❖建築ノスタルジア ❖トロンボーン吹きてっちゃんの独り言 ~函館応援プログ~ ❖虚数の森 Forest of im aginary number ❖MEGU 「めぐ」を究めよう ❖建築日誌 ❖中央区立明石小学校の保存活動 タグ
函館(500)
東京(234) 関根要太郎(130) モダン住宅(明治・大正・昭和初期)(75) 埼玉(75) 木田保造(55) 横浜(54) 不動貯金銀行(48) 弁天・大町(43) 擬洋風民家(42) ユーゲントシュティル(36) モダニズム(36) 京都(35) 復興小学校、戦前築コンクリート校舎〔東京〕(32) ドイツ表現派(31) アールデコ(30) 山中節治(29) 秩父(29) ルネサンス(27) セセッション(26) 銀行・事務所建築(函館)(25) 神戸(23) 小南武一(22) 函館海産商同業組合事務所(22) ゼール、デ・ラランデ(21) 函館銀座通り(19) ロマネスク(16) 旧亀井邸(16) 和風モダン(15) 北九州市(15) 三橋四郎(15) ゴシック(15) ライフログ
ブログジャンル
画像一覧
|
・・・・函館出身の建築家・明石信道が半世紀かけて作りあげた巨大デパート建築 本年最初の記事は長年温めてきた、この建築作品の紹介から始める事にしたい。 その作品とは函館駅前に建つ、棒二森屋百貨店。地元函館の人には棒二森屋という正式名称よりも、[ボーニ]という片仮名表記の名前で馴染みのある函館の老舗デパートである。函館に訪れた旅行者の方でも、駅前にある巨大デパートの存在をお気づきになったという方も多いかも知れない。駅周辺に高層のビルやホテルなどが多く建った現在でも、西部地区の高台を歩いていると、ボーニの屋上に設置された赤に白抜きの[|ニ]の看板はよく目立つ。今も昔も函館駅前のランドマークと言える存在の建物である。 筆者も函館滞在時はよく利用するこのデパートだが、その歴史は相当古く、設立は昭和11(1936)年のこと。 ベイエリアの金森赤レンガ倉庫などでお馴染みの、渡辺合名会社が経営する森屋百貨店と、函館の地蔵町に店舗を置いていた棒二荻野呉服店が合併し、出来た会社である。 ちなみに森屋百貨店をはじめとする、金森の商事部門を取り仕切っていた三代目・渡辺熊四郎は、明治末から昭和初期を代表する函館の商人だった。しかし高齢などの理由もあり、新しく出来た棒二森屋の実質的な経営は、棒二荻野の代表だった荻野清六に委ねられている。そして新生棒二森屋の新店舗は函館駅前に決定し、昭和12(1937)年12月に晴れて鉄筋コンクリート造5階建ての新店舗が落成した。現在では増改築がされているが、当初の店舗は高砂通り側、例の赤い看板が建つ周辺の箇所がその頃に建てられたものである。 この棒二森屋百貨店の設計を担当したのは、明石信道(1901~1986)という函館出身の建築家である。 明石は明治34年に願乗寺川掘削で知られる僧侶・堀川乗経の孫として生まれ、大正8年に道立函館中学校(現道立函館中部高校)卒業後に上京。また23歳のとき明石家の養子となり、昭和3年には早稲田大学理工学部建築学科を卒業。そして卒業を前後して東京新宿の映画館・武蔵野館の設計を担当し、同年の暮れにその映画館を竣工させている。この武蔵野館は国内屈指の大規模かつモダンな劇場で、当時の建築雑誌に大々的な紹介がされ、明石は華々しい建築家のデビューを飾っている。 しかしその後の明石は世界規模の大恐慌の影響もあってか、建築の世界では鳴かず飛ばず。そして頼ったのが、棒二荻野の社長・荻野清六だった。なお明石の手記によると、荻野に認められるまで相当の時間を要したそうだが、昭和9年3月の函館大火後に成立した棒二・森屋の合併、函館駅前の新店舗建設決定を機に明石にようやく設計の依頼が来たそうである。明石は少しアールデコの影響が見られる、控えめなモダンデザインのデパートを昭和12年に竣工させた。現在では増改築がおこなわれて、その頃の面影を留める箇所は少ないが、[|ニ]の赤い看板の下に少し見える塔屋や、一階のレタリングがその頃からのものである。 そして棒二森屋は戦後になり、店舗の規模を拡張。昭和29年、30年、31年、36年、41年、49年の6度に渡り、明石の設計によりその増築工事はおこなわれている。デパート特有の増改築によるアンバランスな感じがあまりしないのは、同一人物の設計によるものが多いと筆者は考える。更に明石は建物北側の別館の設計も担当し、こちらを昭和57年9月に竣工させている。棒二森屋の第一期工事が着工したのが、昭和11年の事だから、明石は46年間、棒二森屋の建築に携わってきた事になる訳だ。国内では他に例のない、凄くスケールの大きい話ではないだろうか。 ◎設計:明石信道 ◎施工:鴻池組(第一期工事) ◎構造計算:門奈博之(第一期工事) 内藤多仲(第二期~第六期工事) ◎竣工:昭和12(1937)年12月 ◎増築:昭和29(1954)・30(1955)・31(1956)・36(1961)・41(1966)・49(1974)年 ◎構造:鉄筋コンクリート造9階建て、地下1階 ◎所在地:函館市若松町17-12 下に見える直線状の装飾がある搭屋は、竣工当時から残る数少ない意匠の一つ。 昭和49年の増築工事完了後に外壁が改修された事もあり、他の箇所で昭和12年竣工時を偲ばせる箇所は少ない。 ❖「函館新聞」 昭和11年9月4日付より ❖「明石信道作品集」1989年より ▼引き続きの写真は下のMoreをクリックしていただとご覧になれます。 ◎設計:明石信道 ◎施工:竹中工務店 ◎竣工:昭和57(1982)年9月 ◎構造:鉄骨鉄筋コンクリート造8階建て、地下1階 ◎所在地:函館市若松町16 ★参考文献 「明石信道作品集」1989年、新建築社発行 「函館市史 通説編」1997年、函館市発行 ★撮影・・・・・2009年3月・6月、2011年4月・6月、2012年7月
by sy-f_ha-ys
| 2013-01-05 15:05
| ☆函館の建物案内
|
Trackback
|
Comments(14)
Commented
by
tokyo102
at 2013-01-05 20:45
x
今年も期待しています。
昔の建物は細かい部分に手間がかかってますねぇ... 長い期間をかけて完成させたというよりかは、拡張ごとに完成度を高めていったという感じかもしませんが、変なアレンジをしてしまったりデザインし過ぎてしまったりせずにここまでもってきたというのは素晴らしいですね。外壁部分が唯一惜しいところ。 それでも後世まで残れば、東京駅のドームの様に、かつての意匠を取り戻す日が来るのではないかとも、そこは夢を見たいですね。 全国に広がるモダン建築の建物群もそうあってほしいです。
0
Commented
by
あおい君と佐藤君と宗男議員
at 2013-01-06 02:12
x
あけまして、おめでとうございます。
新年早々、ボーニを取り上げるとは、これまた渋いですね~。(笑) ボーニ、ワコー、サイカと大門周辺は随分賑わっておりましたが、今ではさびしい限りです。 サイカは、随分前になくなったし。 写真にあるのは、観覧車ですよね。 たしか、屋上に観覧車があったような記憶があります。 昔は、ボーニの屋上で遊ぶのが一番の贅沢でした。 なつかしいです。 今年も、ご健筆お祈りいたします。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2013-01-06 21:21
tokyo102さま、新年明けましておめでとうございます。
日本における近代建築のカテゴリーは、戦前築のものまでという暗黙の括りがあるようで、このような戦後に大増築された作品というのは、どうしてもその対象から外れてしまうようです。しかし一人の建築家が長い歳月をかけて作り上げていった作品という視点から見ると、この建物の価値は変わっていくように私は考えます。 個人的には、古い写真三枚目の昭和40年代前半の姿が、いちばん素敵な出来だと思います。 話は変わりますが、先日東京駅RTOレリーフ(進駐軍時代に製作された建築家・中村順平氏製作の作品)を見に行きましたが、京葉線ホーム改札の外れにあり、とても写真を撮りにくく、全く目立たない場所にありました。こういう無名の素晴らしい作品にも、もっと配慮して欲しいと思ってしまいました。すいません、話が完全に脱線しましたね(笑)。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2013-01-06 21:40
あおい君と佐藤君と宗男議員さま、改めて明けましておめでとうございます(笑)。
へそ曲りの旅行者である私は、ボーニは函館に訪れるたびよく利用しております。無印良品、本屋、お土産物売り場、そして惣菜コーナーで買い物をしたこともありますよ(笑)。 私は大門の全盛期を知りませんが、函館在住の皆さんは「昔が嘘のように寂れてしまった」という話をよく聞きます。 数年前から福島の中合デパート傘下になったボーニですが、宗男議員様の子供時代のような活気を取り戻して欲しいものです。
Commented
by
Manoa
at 2013-01-11 23:55
x
ボーニの写真、興味深く拝見させて頂きました。レトロな階段も好きですが、食堂も昔の面影を残しています。天井の梁を見ると、時代を感じます。階段横に見えない赤いエレベーターがあるのですが、今も現役なのかなとふと思いました(現役のエレベーター横のフロア地図を見ると描かれています)。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2013-01-12 19:29
Manoaさま、ボーニですが、紫のタイルのほか上階の食堂も素敵な雰囲気を醸し出していますね。何回か撮影しようと思ったのですが、開店時間が遅いので結局その願いは果たされないままです。
それと古い赤のエレベーター、その存在はまったく知りませんでした。次回函館に行ったときにでも確認してみようと思います。
Commented
by
ザ・まっち
at 2018-05-30 12:18
x
はじめまして、12月に一旦閉店の話を聞いて駆け付けました。建て替えてスーパーとマンションにするそうなので、1人の建築家が長い間携わってきた由緒ある建物なので極力現行の面影と「棒二」の名前は残してほしいのですが。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2018-05-30 18:35
ザ・まっち様、はじめまして。本日はコメント有難うございます。
棒二閉店の話は、だいぶ具体的なものになってきたようですね。地元出身の明石信道氏のライフワーク的作品だった訳ですが、壁面の「1974」のレタリングからでも故人の思い入れが感じられます。一昨年函館を旅した時、ここのレストランで夕食をとったのが懐かしく感じられます。
Commented
by
ケンゴ
at 2018-07-02 11:10
x
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2018-07-02 18:17
ケンゴ様、はじめまして。
設計者である明石信道氏の作品集には、棒二アネックスの 施工業者については記されておらず、分からずじまいでした。 貴重な情報を教えていただき、誠に有難うございます。 今年の秋に久しぶりに函館へ行く予定なので、 色々と写真を撮って、再び棒二を紹介したいと思います。
Commented
by
Manoa
at 2018-08-23 10:34
x
来年1月末までの営業なので、あと何度見られるかわかりませんが、昭和の面影を写真に収めている方が結構いらっしゃいます。新しい建物では、ウィニング・ホールのように、一部でもアートとして保存してほしいものです。*赤いエレベーターは、テナントの壁から一部見えていたのを覚えているのですが、現在は撤去されたのかもしれません。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2018-08-23 19:05
Manoaさま、お久しぶりです。
昭和の面影を残す棒二森屋は、地元の方でもそうでもない方でも、懐かしさを感じさせてくれる場所だと思います。新しい建物でも、長年人々に愛された建物の記憶を残す場所を設けて欲しいですね。 私も来月函館にお邪魔する予定なので、棒二の最後の姿をじっくりとみ修めたいと思います。
Commented
at 2022-02-02 00:29
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
sy-f_ha-ys at 2022-02-02 22:00
> オガタのSさま、
アネックスも閉店になったそうですね。以前は無印良品や本屋など入店しており、かなり重宝させていただきました。函館の強風で傘をやられ、合計すると3本はここで傘を買った記憶があります。函館駅前ビルになってからは1階にパンやさんが入居してましたよね?。あそこでクロワッサンやサンドウィッチなど買って、トラピスト修道院へ向かういさりび鉄道で食べたこともありました。 明石信道展、それは見てみたかったです。明石さん、なかなか特徴的な建物を設計されていた建築家で、ボーニアネックスなど「らしさ」が出た作品になっています。私もその企画展の製作者の方にお話を伺いたかったですね。吹奏楽部の演奏、華やかなその当時の光景を思い浮かべてしまいました。素敵なコメント有難うございました。
|
ファン申請 |
||